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遺言執行者とは?

遺言執行者とは、分かりやすく言うと、被相続人(亡くなった人)の代理人のことです。

※ 正確には、死者に人格権は認められていないため、被相続人の代理人ではなく、相続人(遺産を承継する者)全員の代理人という立場をとります。

被相続人は遺言によって、自ら築いた財産の分割方法や相続人等を定め、法律に反しない範囲内において、自由に処分することができますが、相続問題はトラブルが付きものです。

自分が死んでしまった後では、たとえ遺言に反する相続が行われたとしても、何ら口を挟むことは出来ないため、遺言者にとっては不安の残るところでしょう。

そこで、被相続人が希望したとおりの相続が行われ、死亡した後に生じる遺産分割をはじめとした様々な手続きをスムーズに実行するため、被相続人は遺言により、遺言執行者を指定することが出来ます。

遺言執行者に関わる規定は、民法第1006~1021条で定められていますが、遺言により執行者を指定する考えるある者は、そのルールを把握しておく必要があります。




遺言執行者の主な職務

遺言により指定された遺言執行者は、執行者としての立場を引き受ける時には、相続人に対して、就任の意思を伝えます。

遺言執行者は、相続財産の管理をはじめ、遺言の執行に必要な一切の行為を行う権利義務を有しているため、個々のケースによってその任務は異なりますが、その職務は主に次のようなものが挙げられます。
チェック財産目録の作成

遺言執行者は、まず最初に財産目録を作成しなければなりません。相続人からの請求があれば、相続人の立会いの下、財産目録を作成しなければなりません。※ 場合によっては公証人に作成させます。

チェック推定相続人の排除・認知の届出

遺言が推定相続人の廃除や認知であれば、遺言執行者がそれらの手続きを行います。

チェック不動産の移転登記手続き

遺言の内容が財産処分に関わるものであれば、内容に従い財産の引渡しや不動産の移転登記手続きを行わなければなりません。また、相続財産を不法に占有している者や、遺言内容に従わない者が存在する場合には、遺産の引渡し請求や抹消登記請求訴訟をすることもあります。

チェック受遺者への財産交付

遺言で受遺者が指定されていれば、受遺者に対し財産を交付します。
遺言執行者イメージなお、遺産の一部についてのみ遺言が残されていた場合、遺言執行者は、その遺言で指定された特定財産についてのみ執行する権利義務を持ちます。

相続発生後は、法的な専門知識が必要とされる手続きや協議も多く、また、たとえ被相続人(遺言者)の遺言によって遺言執行者に指定された者も、必ず引き受けなければならないといった義務はないため、遺言執行者を指定する際には、相続において利害関係のない、弁護士や司法書士といった法律専門家を指定しておくと手続きがスムーズに進むようです。




コレだけは押さえる!遺言執行者を指定する際の注意点

遺言者が遺言執行者を指定する前に、コレだけは押さえておきたいと思われる主な事項についてまとめておくので、関心のある方は少し参考にしてみてください。
チェック遺言執行者にはなれない者

未成年者や破産者は遺言執行者にはなれません。(民法第1009条)

チェック必ずしも遺言執行者は必要ではない!

遺言を書き残す者(遺言者)は、必ず遺言執行者を定めなければならない!というわけではありません。遺言執行者を指定しない場合には、相続開始後、相続人が遺言の内容を実行します。

チェック複数の遺言執行者を指定してもよい!

遺言執行者は1人でなければならない!といった規定はありません。したがって、複数(2名以上)の遺言執行者を指定し、個々の遺産について個別に執行権限を与えることも可能です。

チェック必ず遺言執行者が必要になる場合がある!

必ず遺言執行者が必要になってくるケースがあります。具体的には、遺言書に「認知の届出」や「推定相続人の廃除(取消し)」などが指定されていた場合です。遺言によって遺言執行者が指定されていない場合には、相続人等が家庭裁判所に対し遺言執行者選任の申立てを行います。

チェック遺言執行者に指定された者は、拒否することもできる!

遺言執行者に指定された者は、自らの意思で執行者としての立場を断ることが出来ます。

チェック遺言執行者がいる場合、相続人は勝手に遺産を処分できない!

遺言によって遺言執行者が指定されている場合、相続人が遺言執行者を無視して勝手に遺産を処分することは許されません。