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遺産分割協議書の基礎知識

遺産分割協議書を作成するのは、なにも紛争の未然防止だけが目的とは限りません。

他にも、下記に挙げるようなケースにおいて、遺産分割協議書の内容が信頼ある証拠として利用されるこがあります。

さて、相続人と相続すべき財産が確定すると、さっそく遺産の分割方法について協議することになりますが、遺産分割協議(遺産分割協議書の作成)を行う際には、注意すべき点がいくつかあります。

場合によっては、協議内容が無効になってしまう恐れもあるため、うっかりミスがないよう、くれぐれも気をつけなければなりません。
遺産分割協議書が必要になってくる例
チェック 相続した土地・建物等の不動産所有権の移転
チェック 相続税の申告 ※法定相続分と異なった遺産分割をしたとき
チェック 銀行預金の相続 ※銀行によって必要な書類が異なります

遺産分割協議を行う際の注意点
1:相続人は全員参加

原則として、遺産分割協議は、相続人全員が参加して行わなければなりません。

「あの人がいると、まとまる話もまとまらないから…」と、一部の相続人を除外して協議を行っても、その遺産分割協議は無効とされてしまいます。

よって、まずは戸籍を確認し、相続人を確定することが遺産分割協議を行う上で最も重要な作業ということになります。

ただし、参加することが条件であって、必ずしも全員が一箇所に集まって協議を行わなければならないというわけではありません。

相続人が遠方に住んでいるなどして、一堂に会することが困難な場合には、相続人全員の同意を得た上で、電話や手紙による協議を行い、作成した遺産分割協議書を郵送や持ち回りによって署名捺印する方法も有効です。

なお、相続人が未成年者の場合には、特別代理人を立てることになりますが、親と子の利益が相反するため、子の親が代理人として参加することはできません。

したがって、家庭裁判所に子の特別代理人を選任してもらいます。

また、相続開始時に相続権のある子が、すでにお腹の中にいる場合は、その子が生まれるのを待ってから遺産分割を行います。

生まれて来る可能性のある子を無視して遺産分割をしてしまうと、出産時に再度やり直さなければならなくなる恐れがあるからです。


2:遺言書がある場合の遺産分割協議について

被相続人(財産を残して亡くなった人)の相続財産をどのように分割するかは、遺言書がある場合はその内容に従います。

つまり、遺言書に「土地や家は○○に、預金は○○に…」といった具合に、遺産の分割方法について具体的に記してある場合には、それに従い遺産分割を行うため、遺産分割協議はそれほど問題になりませんが、「財産の3分の1ずつ兄弟で分ける…」といったように、割合だけを指定した遺言書の場合には、その割合を基に遺産分割協議を行うことになります。

遺言書の内容によっては、家族以外の者が相続人になるケースもあるため、「なぜ、赤の他人に…」と思っても、遺言書で指定した相続人である以上、その相続人を除外して遺産分割協議を行うことは許されないので注意が必要です。


3:遺産分割協議書の書き方
書式 特にルールはありません。書面のサイズ、縦書き or 横書き、手書き or ワープロ作成…どれも自由な形で作成可能です。
不動産の
表示方法
登記簿謄本にある記載をそのまま転記します。
署名押印 相続人全員の署名押印が必要です。押印には三文判ではなく、印鑑証明がある印で行い、印鑑証明書を添付するのが確実で一般的と言えます。なお、遺産相続をしないと決めた相続人も相続人のひとりとして署名押印を行います。
契印
(割印)
遺産分割協議書の内容が数ページに及ぶ場合は、1枚目と2枚目、2枚目と3枚目…といったように各ページごとの用紙と用紙のとじめに契印を押します。
契印


遺産分割協議書の書式について

先にも述べたとおり、遺産分割協議書の作成方法には、特にこれといったルールはありませんが、後日トラブルにならないよう、各相続人が受取る遺産については、できるだけ具体的に決め、曖昧な表記を避ける必要があります。

そこで、遺産分割協議書の典型的な書式例を2つほど挙げておくので、協議書を作成する際には、参考にしてみてください。
遺産分割協議書の書式(1)
遺産分割協議書


平成○年○月○日 被相続人・■■太郎の死亡により開始した相続につき、相続人・■■一郎、■■次郎は、分割協議の結果、次の通り、被相続人の遺産を分割することに合意した。

1.相続人・■■一郎は、次の遺産を取得する。

 (1)土地
    所在 東京都○○区○○
    地番 ○○番○○
    地目 宅地
    地積 ○○.○○平方メートル

 (2)建物
    所在   東京都○○区○○
    家屋番号 ○○番○○ 木造瓦葺2階建
    床面積  1階 ○○.○○平方メートル / 2階 ○○.○○平方メートル

 (3)現金
    2,000,000円

 (4)預貯金
    ××銀行 ××支店 普通預金 01234567 1,000,000円

2.相続人・■■次郎は、次の遺産を取得する。

 (1)有価証券
    株式 ××株式会社 10,000株

 (2)現金
    5,000,000円

 (3)預貯金
    ××銀行 ××支店 普通預金 98765432 2,500,000円

3.■■家の祭祀については、相続人・■■一郎が継承する。

4.本協議書に記載なき資産及び後日判明した遺産については、相続人・■■次郎がこれを取得する。

上記の通り、相続人全員による遺産分割協議が成立したので、これを証明するため、本書2通を作成し、署名押印の上、各1通を所持する。

平成 ○ 年 ○ 月 ○ 日

相続人 住所 東京都○○区○○丁目○○番○○
氏名 ■■一郎  

相続人 住所 東京都○○区○○丁目○○番○○
氏名 ■■次郎  
遺産分割協議書の書式(2)
遺産分割協議書


被相続人・■■太郎(平成○年○月○日 死亡)により開始した相続につき、相続人・■■一郎及び■■花子の特別代理人▲▲祐司は、協議の結果、次の通り、被相続人の遺産を分割することに合意した。

1.相続人・■■一郎、同■■花子は、次の物件をそれぞれ2分の1ずつの割合で取得する。

 (1)土地
    所在 東京都○○区○○
    地番 ○○番○○
    地目 宅地
    地積 ○○.○○平方メートル

 (2)建物
    所在   東京都○○区○○
    家屋番号 ○○番○○ 木造瓦葺2階建
    床面積  1階 ○○.○○平方メートル / 2階 ○○.○○平方メートル

2.相続人・■■一郎は、次の遺産を取得する。

 (1)現金
    1,000,000円

 (2)預貯金
    ××銀行 ××支店 普通預金 01234567 1,000,000円

3.相続人・■■一郎は、被相続人の債務を全て継承する。

4.相続人・■■花子は、次の遺産を取得する。

 (1)有価証券
    株式 ××株式会社 10,000株

 (2)預貯金
    ××銀行 ××支店 普通預金 98765432 2,500,000円

上記の通り、相続人全員による遺産分割協議が成立したので、これを証明するため、本書3通を作成し、署名押印の上、各1通を所持する。

平成 ○ 年 ○ 月 ○ 日

相続人 住所 東京都○○区○○丁目○○番○○
氏名 ■■一郎  

相続人 住所 東京都○○区○○丁目○○番○○
氏名 ■■次郎  

相続人 住所 東京都○○区○○丁目○○番○○
氏名 ■■花子  

上記特別代理人 本籍 東京都○○区○○丁目○○番○○
住所 東京都○○区○○丁目○○番○○
氏名 ▲▲祐司