実践!相続マニュアル:相続に関する法知識・手続き・トラブル対策サイト
相続の悩み相談2
Top相続遺言遺留分Q&A

Q2.生前贈与とは?

相続の悩み相談
生前贈与とは何ですか?また、どのような効力がありますか?生前贈与を受ける際に注意すべき点について教えてください。
生前贈与とは、文字通り、被相続人が死亡する前(つまり生きているうち)に、自分の財産を人に分け与えてしまう行為です。

自分の財産を生前に贈与することによって、将来負担すべき税金(相続税)を少しでも抑えるために利用される、いわば相続税対策のひとつとして利用されている制度です。

ただし、生前贈与を行う際には、自身の財産状況をしっかりと把握した上でうまく活用しなければ、かえって税金が高くついてしまう恐れがあります。

これは、贈与税の税率が相続税よりも高く設定されているためです。

そこで、少しでも相続における税金を減らしたいのであれば、被相続人が健康なうちに基礎控除(年間110万円の贈与であれば、税金はかからない)を、うまく活用しながら、長期的な対策を行っておけば、相続の際には有利に運ぶでしょう。

ただし、相続税対策として、基礎控除額分(110万円)の生前贈与を数十年間続けたとしても、毎年、決まった額の贈与を繰り返していると、税務署から「初めから決めていた額を、単に分割して贈与しているだけである」とみなされ、贈与が行われたすべての額が一括して贈与税の対象になってしまう恐れがあります。

そこで、税務署に目を付けられないためにも、贈与するたびに契約書を作成したり、毎年、贈与する金額に変化をつけたり(あえて基礎控除額をちょっと超える贈与を行い、贈与税を納めておくのもよい)あるいは非課税枠に若干上乗せして相続税を少し払う(例:120万円の贈与にして基礎控除額110万円の超過分である10万円分の10%を相続税として納める…など)といった対処をしている方もいるようです。

※ 財産を相続した者が被相続人の死亡前から3年以内に生前贈与を受けていた場合、その生前贈与された財産については相続税の課税財産に取り込まれることになります。ただし、この制度は相続・遺贈によって財産を取得した者が対象となるため、それ以外の人には適用されません。

しかし、相続税にも税金のかからない基礎控除(5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数))や、様々な優遇措置があるため、よほどの資産家でもない限りは、被相続人が死亡したことによって納めることになる相続税は発生しないのが現実です。

※補足:相続税の基礎控除額(改正内容:3,000万円+(600万円×法定相続人の数))が見直されるため、縮小される予定(平成27年1月実施予定)です。

つまり、一般のサラリーマン家庭においては、生前贈与が相続税対策の一貫として、このような策が必ずしも役に立つとは限りません。

よって、相続税対策として生前贈与を活用しようと考えているのであれば、まずは被相続人の資産状況を、しっかりと把握することが必要です。




Q3.負担付贈与とは?

相続の悩み相談
負担付贈与とは何ですか?また、どのような効力がありますか?負担付贈与契約を結ぶ際に注意すべき点について教えてください。
負担付贈与とは、文字通り、負担の付いた贈与です。

具体的には「土地や建物をあげるから、残りの住宅ローンも支払ってくれ」といったものから「100坪の土地を譲るけど、そのうちの20坪は駐車場として利用させてほしい」あるいは「財産を譲る代わりに、もし私が死んだらペットの面倒を見てほしい」・・・などなど。

つまり、簡単に言ってしまえば、贈与する代わりの代償として、受贈者に何かしらの義務を負担してもらおうという約束(契約)事です。

さて、この負担付贈与を行う上で、まず押さえておきたいことは、贈与を受けた受贈者における贈与税の問題でしょう。

負担付贈与を受けた者は、贈与を受けた財産の価額から、負担すべき債務の金額を差引いた額の贈与があったものとして、その金額を基に贈与税額を算出します。
{(贈与を受けた財産 - 負担すべき債務額)- 110万円(基礎控除)}× 贈与税率 = 贈与税
ちなみに〝贈与を受けた財産〟の価額については、財産の種類によって評価の仕方が異なってくるので注意が必要です。(土地や建物等の不動産であれば時価か基準となる)

なお、一昔前ならまだしも、現行法においては、マイホーム等を借金付きで財産を譲ったとしても、節税対策としてはあまり期待できません。

これは、負担付贈与があった場合、贈与された財産の価額から負担額を差し引いた価額に相当する財産の贈与があったものとして取り扱われる(いわゆる、みなし財産)ためです。

次に、被相続人が遺言によって行う、負担付死因贈与についても、少し触れておきましょう。

この負担付死因贈与とは、被相続人が死んでしまうことで、他に身寄りのない幼い子供やペットが路頭に迷ってしまうような場合に有効な策のひとつして活用することができます。

つまり、具体的には、被相続人の死後、自分の財産を贈与者に譲る代わりに、子供やペットの面倒を見てくれとお願いする贈与契約です。

負担付死因贈与を行う際のポイントとしては、必ず契約書を作成し、被相続人の死後、その契約書に書かれた約束を遂行してくれているかどうかを監督してくれる死因贈与執行者を指名しておくことです。