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Q4.相続法とは

相続の悩み相談
相続法とは何ですか?また、どのようなことについて書かれた法律ですか?
相続法と名のつく法律は存在しませんが、私たちの日常生活に関わりの深い法律、民法第5編【相続】で規定されている条文を総称して〝相続法〟と呼んでいます。

相続においては、財産を残す者(被相続人)、被相続人が残した財産を承継する者(相続人)の2つの立場がありますが、人としてこの世に生を受けた以上、誰もがいつかは必ず、この問題に直面することになります。

しかし、不労所得(働くことなくタダで手に入る所得)としての性格を持つ遺産は、時として、仲の良かった家族をも崩壊させるトラブルへと発展してしまうケースが少なくありません。

そこで、相続法は人の死亡に伴う財産承継に関する基本法として、とても重要な役目を果たすことになります。

つまり、相続紛争が生じた際は、この相続法で定めた規定を基準に紛争処理に当たるということです。

相続法は、民法第882~1044条に収められていますが、「総則」「相続」「遺言」「遺留分」の4つを柱として組み立てられています。
民法:相続編
総則 第882~885条 相続がいつ・どこで始まり遺産管理費用はどうするのか?について規定した章
相続 相続人 第886~895条 相続人は誰か?などについて規定した章
相続の効果 第896~914条 遺産の範囲・分割方法などについて規定した章
相続の承認及び放棄 第915~940条 相続をするか、それとも放棄するか?や、その手続き等にについて規定した章
財産の分離 第941~950条 債権者の利益を保護するために設けられた章
相続人の不存在 第951~959条 相続人が誰もいなかった場合等に関する相続財産の扱い等について規定した章
遺言 第960~1027条 被相続人が残す遺言の書き方や、その効力等について規定した章
遺留分 第1028~1044条 法定相続人に与えられた遺留分減殺請求について規定した章
相続に関する知識は必ず必要になってくるので、《相続》を《争族》としないためにも、誰もが押さえておかなければならない法知識のひとつといえます。

そこで、最低限コレだけは押さえておいてほしい相続法の知識についてまとめた〈民法:相続の常識(1)〉の項を、時間のあるときにでも、一度、目を通しておくことをお勧めします。




Q5.法定相続人

相続の悩み相談
夫の兄が、妻であった私(配偶者)に対し「弟の遺産なら、法定相続人である自分にも譲り受ける権利がある」と言ってきました。夫は遺言を残さずに亡くなり、私達の間には子供もいません。義兄の言う通り、義兄にも相続させるべきなのでしょうか?
被相続人が遺言を残していた場合には、その遺言書に書かれている内容が優先されますが、あなたの夫は遺言を残していなかったということなので、夫の遺産については相続法に従い、法定相続人が承継することになります。

法定相続人には、配偶者(妻)であったあなたの他に、子、夫の両親、夫の兄弟姉妹などが対象となります。

しかし、法定相続人には優先順位があるため、必ずしもあなたの義兄が相続人としての権利を主張することができるとは限りません。

配偶者であるあなたは、常に法定相続人として夫の財産を承継しますが、兄弟姉妹が法定相続人として遺産を継承するのは、子(代襲相続も含む)や、夫の両親が既に亡くなっていた場合です。

あなた方夫婦の間には、お子さんがいないということなので、まずは、第2順位である夫の両親が法定相続人としての立場を承継し、その両親がどちらも存在しない(あるいは両親が2人とも放棄した)場合に、はじめて義兄が主張する法定相続人として夫の遺産を承継する権利が生じます。
法定相続人の優先順位
順位 法定相続人
第1位 子(法定相続分:1/2)
※ 原則、胎児・養子・非嫡出子を含む
配偶者は常に相続人となる
第2位 父母(法定相続分:1/3)
第3位 兄弟姉妹(法定相続分:1/4)
なお、義兄が法定相続人としての地位を承継した場合の相続分は、被相続人が残した財産の1/4程です。

あなたの夫は既に亡くなっているので、この方法は使えませんが、被相続人の兄弟姉妹に遺産を残したくないという場合には、遺言によって財産の処分をあらかじめ決めておくという対策もとれます。

つまり、兄弟姉妹には遺留分の権利がない(ただし、第1順位の子や第2順位の父母には遺留分の権利がある)ので、夫が「遺産はすべて妻に残す」といった遺言書を残していると、今回のようなケースで揉めることはなくなるということです。