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Q8.寄与分とは

相続の悩み相談
相続人間で遺産分割協議をしていたところ、兄が「寄与分を考慮した遺産分割をするべきだ!」と言い出しました。相続時における寄与分とは、いったい何ですか?
寄与分は、昭和55年の民法改正時に新設された規定であり、主に相続人間の実質的公平を図ることを目的としています。

したがって、寄与分とは、被相続人(亡くなった人)の財産の維持や増加に特別な寄与(貢献)をした相続人に対して、本来、承継するべき相続分とは別に、被相続人の遺産の中から、その貢献度を考慮した相当額の財産の取得を認めましょうという制度です。

ただし、この相続時における寄与分を認めてもらうためには、下記に示す条件を満たしていなければなりません。
寄与分の条件
チェック 共同相続人であること!
※ 多大な貢献があっても、相続人でない者には請求は認められない…
チェック 被相続人の財産維持・増加があること!
チェック 特別の寄与であること!
※ 単に子が親の面倒をみたというだけでは〝特別の寄与〟があったとはみなされない…
相続における寄与分については、まず相続人間の協議によって決めることになるので、上記条件を満たしているような場合には、あなたのお兄さんが言うように、寄与分を考慮して欲しいと言う願いはもっともな主張であると言えます。

なお、もし仮に相続人間の話し合いで協議がまとまらない場合には、家庭裁判所の調停や審判によって定めることになります。




Q9.寄与分と判例

相続の悩み相談
相続時における寄与分には、どのようなものが認められるのでしょうか?寄与分に関する判例などがあれば教えてください。
相続人が〝寄与分〟を認めてもらうためには、特別の寄与であることが条件です。

したがって、妻として今まで夫の世話をしてきたとか、単に子が親の面倒をみたといったような理由では、特別の寄与には該当しません。

相続における寄与分については、個々のケースによって変わってくるため、一概に○○をした人と断言できませんが、主に次のような行為が考えられるようです。
家事従事に関する行為 長年にわたって、被相続人の事業(農業、漁業、林業、小売業、その他個人事業(弁護士、税理士、医師など)…など)に従事してきた相続人など。ケースにもよりますが、一時的に手伝ったとか、被相続人が経営する会社にサラリーマンとして従事し給料を得ていた等は該当しないと考えられます。
療養看護に関する行為 配偶者や子が夫(妻)の面倒をみるのは当然の行為であって、単なる病人の看護のみでは特別の寄与に当たりません。そのため、付き添い看護を常に必要とするような看護に、相続人が代わりにあたることで看護費用の支払を免れるなど、被相続人の財産維持に貢献した場合などが考えられます。
金銭(財産)等の
出資に関する行為
相続人が入院や治療費等を負担するなどして、被相続人の財産維持や増加に貢献した場合などが考えられます。
寄与分に関する主な判例
被相続人(父親)が経営する家業(漬物製造販売業)において、長男と妻がともに12年間以上にわたり、仕入・販売を担当し父親を助けたとして、その労力が特別の寄与に当たるとした例

【大阪神戸家審 昭和40.9.27】


常時付き添い看護が必要とされる老人性痴呆の親(被相続人)の看護を、10年間にわたって、子が看護したケースにおいて、付添婦に支払うべき費用の支払を免れるなど、被相続人の財産維持に特別の寄与があったものとした例

【盛岡家審 昭和61.4.11】


8人兄弟中のひとりが、18年間にわたって被相続人に交際費を渡したり相続財産の管理費を負担するなどして、その財産の減少を防ぎ、維持貢献したとして寄与分を認めた例

【大阪家審 昭和61.1.30】