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Q15.遺産分割協議書と認印

相続の悩み相談
父が突然亡くなり、遺産分割協議を行うことになりましたが、私は実印を持っていません。遺産分割協議書を作成する際には、実印の代わりに認印を押してはダメですか?
遺産分割協議書とは、被相続人(亡くなった人)の遺産を、誰が、何を、どのくらい取得するのかといった内容を明確にし、後々のトラブルを防止するために作成される書面のことです。

遺産分割協議書の目的この書面は、相続が開始したら法律によって必ず作成しなければならないといった規定はないので、特に書き方や作成手順についてルールが設けられているわけではありません。

したがって、極端な話し、相続人同士の仲が良ければ特に作成することはないのです。

さて、ご質問にある印鑑の種類についてですが、遺産分割協議書に各相続人が押印する印鑑については、何も実印を用いる必要はありません。

つまり、実印の代わりに認印拇印を用いたからといって、書面自体が無効になるといったことはありません。

しかし、実務上、遺産分割協議書には〝実印〟で押印するのが一般的です。

その理由は、主に2つあります。

ひとつは、日本において市区町村役場に登録してある印鑑(実印)は、誰もが勝手に手にすることができるわけではないため、押印者本人であるということを証明する意味をもっていること。

ふたつ目は、相続にかかわる不動産登記手続きには、実印を用いた遺産分割協議書を、登記申請時に添付する必要があるためです。

このような理由から、遺産分割協議書には、実印を用いることが通例となっています。

そこで、あなたがまた実印を持っていないのであれば、これを機会に、市区町村役場(住民基本台帳に登録されている)に申請して、印鑑登録をしておくと良いのではないでしょうか。

手続き自体は簡単です。
印鑑登録申請時に必要なもの
チェック 印鑑登録申請書(役所に備え付けてあります)
チェック 登録する印鑑(ただし、サイズなどの条件あり)
チェック 身分を証明できるもの(免許証・パスポートなど写真付きのもの)
チェック 登録費用(300円程度)



Q16.法定相続分

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父は遺言を残さずに亡くなりました。ということは、民法の法定相続分どおりに遺産を相続人間で公平に分割しなければならないのでしょうか?
民法には、各相続人が取得できる相続分の割合について定めた規定(法定相続分)がありますが、この規定は被相続人が遺言を残さなかった場合の、一応の目安であると理解した方が良いでしょう。

また、相続人間で遺産分割協議がまとまらない場合には、この法定相続分を基準として相続分割が行われることになります。

したがって、もし遺産分割協議で、この法定相続分とは異なる遺産分割が行われたとしても、共同相続人全員の合意が得られれば、その相続分でも差し支えありません。

ただし、被相続人が生前残した借金等の債務については、債権者の同意がない限り、勝手に分割することはできません。

つまり、法定相続分にしたがって、各相続人がマイナス財産を相続しなければならないということです。

※ 相続放棄者は、はじめから相続人ではなかったことになるため、プラスの財産だけでなく、マイナス(借金等の負債)の財産も相続することはありません。

相続問題は、後々、トラブルになる恐れが強いため、強制ではないとはいえ、遺産分割協議書を作成しておくことをお勧めします。